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01_印刷濃度の単位は何?

 

X-Riteのテクニカルサポートチームでは、よく「印刷の濃度の単位はなんですか?」という質問を受けます。
濃度というのは照明される光の光量と反射(もしくは透過)される光の光量の比から算出されます。
同じ単位同士の比ですので、濃度には単位がありません。
よく1.50DなどとDをつけることがありますが、これはDensity(濃度)のかしら文字のDを付けたもので「この数値は濃度の値ですよ」という意味で単位というべきものではありません。
 
濃度には単位がありません
 図-1
濃度の計算は反射率の逆数の常用対数で求められます。
つまり、反射率=反射光強度/入射光強度ですので、この逆数は入射光強度/反射光強度となり、濃度の計算は
 
濃度の計算
 
となります。
 
ただし、入射光強度も反射光強度もある重み付けをして評価したものを使用します。
よくOD値として扱われる濃淡に関するビジュアル濃度の場合、人間の目の波長応答の特性で重み付けをします。
具体的には、人の明るさに対する応答特性のv ̅(λ)で重みつけをした値を使用します。
また、CMYなどのプロセスインキの評価に使用する濃度などはインキなどの色材の特性に応じて特徴的な波長領域での重み付けを使用して評価した値を使用します。
この辺のことは次回以降、濃度ステータスで詳しく触れたいと思います。
 
そもそもどうして反射率の逆数や常用対数のlog10を使用するのでしょうか?
逆数は単純に反射率と濃度は反対の関係にあるからです。
反射率が高くなれば白っぽくなるので濃度は低くなり、逆に反射率が低くなれば濃度は高くなるからです。
常用対数を使用する理由は何でしょう?
人間の感覚量は色だけではなく、音などもこの常用対数を使用した数値化がおこなわれます。
これは人の感覚量はその刺激の絶対値ではなく変化量に反応するからです。
 

 

 

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#インクの色 #色の管理 #CMYK濃度 #カラーマネジメント印刷 #濃度計 

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2016年 読者が最も関心の高かったカラーマネージメントのトピック ColorKnowledge Blog | Xrite

 

1年で最も素晴らしい時期、2016年の思い出はまだ鮮やかで…成功を祝い、そしてこれから始まる1年に何が必要かを考える時かもしれません。
もし色の再現性の精度が、あなたの今年取り組むリストに入っているなら、これからご紹介する記事をチェックしてみてください。2016年に最も有読者の関心の高かったブログのリストをまとめました。新しい年に、もっと正確な色というゴールに向かって仕事をスタートしましょう!
カラーマネジメント

2016年のX-Riteブログ トップ10

#1:エックスライトカラー探偵団: 赤いボールのミステリー

赤いボールのミステリー
この赤いボール、実はとても沢山の色の謎があります。我々は色の神秘的な領域について調査を行いました。(もしこのボールが赤いと感じたならば、すぐにこのブログをチェックしてください…)

#2:メタメリズムとは何でしょうか。そして、なぜ それに注意しなければならないのでしょうか。

メタメリズムとは何か
メタメリズムは、2つの色が1つの照明条件の下で一致するように見え、照明が変化した場合、色が一致して見えないという現象です。

#3:どの色のコントロールが一番難しいでしょうか。

色のコントロールの難しさ
分光測色計によって収集されたデータは、デザイナーおよびブランドのオーナー、製造業者、品質管理の専門家が正確に色を伝達し、製造全体を通して色が正確に維持できるように保証します。

#4:あなたは正しい許容方法を使っていますか。

色の許容方法
色を判断するため、許容値と呼ばれる色の合格ラインとなる、色の見えの違いをどこまで許容するかというガイドラインが設定されるでしょう。しかし、それでもまだ顧客とサプライヤーは、認識の相違があると感じています。ここでなぜなのかをお話しましょう。

#5:どうして新車の色を創り出すのに、とても長い時間がかかるのでしょうか。

新車の色の創り方
新しい車の色を創り出す事は、デザイナーや塗料会社、自動車メーカーにとって時間のかかる作業です。革新的な色彩測定技術が、どのようにゲームチェンジャーとなり、市場投入までの時間を短縮しているかをお話します。

#6:色評価の5つの落とし穴

色評価の落とし穴
光源ブース評価の問題点
色精度が重要である業界で働いているならば、色の知覚において、照明が大きな役割を果たしていることはご存知でしょう。ここでのヒントは、あなたの視覚評価プログラムをより最適なものにするお手伝いをするでしょう。

#7:パントン® エクステンデッド・ガモット・ガイドがどのように役立つのでしょうか?

パントンエクステンデッドガモットガイド
拡張ガモット印刷は、印刷業界でますます一般的になってきています。このブログは、スポットインクの替わりに7色プロセスを使用する際、プリンターとデザイナーがどの程度色を一致させることが出来るのかという問題に、パントン® エクステンデッド・ガモット・ガイドがどのように役立つのかを説明します。

#8:印刷包装業界で最新の潮流に

生産性を向上させるための標準化
スタンダード(標準化)は、クライアントと明確な目標を設定し、ワークフローの問題を解決し、生産性を向上させるのに役立ちます。弊社の米国および国際標準の専門家であるRay Cheydleurが、標準化において、何が新しくそして重要であるかについての見識を述べています。

#9:印刷現場で分光測色計を使うための5つのヒント

印刷現場で色に影響を与えるものを克服する
理想的な世界では、印刷機にインクを入れれば仕事ができるはずですが、残念ながら世界は完璧ではありません。しかし、このブログは、印刷において色に影響を与えるいくつかのチャレンジを克服するのに役立ちます。

#10:カラーマネジメントの問題、2015年のトップ5

2015年トップ5ブログリスト
おもしろいことに、2016年の最も人気のあったブログの一つは、2015年のトップ5ブログリストだったのです。カラーに関わる仲間たちが、2015年に何に最も興味を持って学んだのかチェックしてみてください。
By TIM MOUW
Applications Engineering & Technical Support Manager

 

 

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 #インクの色 #色の管理 #カラーマネジメント #カラーマッチング
マクベス標準光源装置 #低価格測色計 #標準光源 #塗装 #塗料 #測色計

カラーマネジメント 印刷 #カラー評価

 

 

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世界で話題のカラー・オブ・ザ・イヤーをいち早く商品化するには? ColorKnowledge Blog | Xrite

 

Pantoneカラーオブザイヤーの発表はいつもエキサイティングなニュースとして世界の主要なメディアで取り上げられています。Pantoneカラーオブザイヤーはこれからやってくるトレンドを示唆するだけでなく、マーケティングや製品開発において、ブランドやデザイナーへのインスピレーションを提供する重要な役割を果たしてきました。
 
 世界各地のデザイナーは発表後数週間にわたり、2017年のカラーオブザイヤーであるグリナリー(15-0343 Greenery)についての計画を共有します。しかし、生産や包装部門の担当者であれば、トレンドカラーは何もしなくても自動的に商品化されるものではないことは知っているでしょう。トレンドカラーから新商品を作り出すには、時間と労力が必要とされます。
 
 今日は塗料プラスチックテキスタイル包装のいずれの業界でも、グリーナリーのようなにトレンドカラーを商品化する際に助けとなる、調色ソリューションについてお話します。
 
世界で話題のカラー・オブ・ザ・イヤーをいち早く商品化するには?
 
調色ソフトウェアを使わずに、新色を作り出すことは多くの無駄を発生させます。
ビジュアルチェックだけで色を開発すると、見た目で求めるカラーになるまでに、何十回ものトライ&エラーを繰り返さなければなりません。
 

調色ソフトを使えば、新色の生成に費やす時間はより短くなります…

 
1.選択した染料と着色剤を元に調色計算を行います。
2.最初の調色を行い、サンプルを作成します。
3.作成したサンプルを測色して、基準値と比較します。
 
 
以上のシンプルなステップで、時間を短縮するでしょう。「そうは言っても、初期投資費用がかかる…」という方も多いかもしれません。
 
調色ソフトを使えば、新色の生成に費やす時間はより短くなります…
 

調色ソフトでどのようなことが可能に?

 
 調色ソフトを使用することで1回目のトライで許容値内に収めるということができるかもしれません。1回でなくても複数回の調整で求めるカラーを実現することが可能になるでしょう。マニュアルでの調色では平均して12回のトライが必要であることを考えれば、調色ソフトが時間と経費の両方の軽減になると言えるでしょう。
 
 

今ある資源を利用する

 
 調色ソフトウェアは、勘に頼る作業を減らすだけでなく、実際使用する着色剤と染料を使用したレシピを計算することができます。資材が6個でも60個あっても、求めるカラーのレシピを迅速に計算します。
 
 カラーによっては実現がむずかしいものもあることも忘れてはなりません。例えば、二酸化チタンが多く含まれている基材であれば、グリーナリーを表現するのは難しくなります。しかし調色ソフトは、マニュアルでのトライ&エラーよりも短い時間で、最も近いカラーを計算で求めます。
 
 

調色トレーニング

 
 もし調色を行う熟練した担当者が引き継ぎなしに急に職場を離れてしまったら、その後の品質はどうなるでしょうか?エックスライトの調色ソフトは直感的に容易に操作が可能です。一度着色剤でシステム設定を完成すれば、エックスライトのアプリケーションエンジニアが調色ソフトが初めての方にも使用できるようにトレーニングを提供します。
 
 

ニーズに合うソリューションを提供

 
業界やワークフローに合わせて、三種類の調色ソフトをご用意しております。
 
 
InkFormulation
 
InkFormulation(IFS)はオフセット、フレキシ素材、グラビアやスクリーン印刷のインクに特化しています。商業印刷、パッケージのコンバーターインクメーカー様に広く世界で使用されています。
 
Color iMatch
 
Color iMatch塗料プラスチックテキスタイル業界に広く採用いただいております。迅速に、正確な色分析と調色を提供することができます。
 
X-Rite Color® MASTER
X-Rite Color® MASTER は最も幅広い分野で採用いただいているソフトです。どのような生産工程でも能力を発揮します。0 / 45、多角度分光測色計のどちらでも使用でき、接触、非接触のどちらのタイプでも利用することができます。
 
PANTONE2017年度代表色
あなたのパレットに木の緑を添加します!PANTONE2017年度代表色がこれらの色はシステムの中で見つけます。
 
2017年のパントンのカラー・オブ・ザ・イヤーを使ってみようと考えている方、できるだけ迅速に、また正確に求めるカラー/色を調合したいという方は、調色ソフトウェアを検討してみてはいかがでしょうか?エックスライトはお客様の今あるワークフローとニーズに合ったご提案をいたします。
 

 

 
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〜メタリック素材への印刷における効果的な色管理 ColorKnowledge Blog | Xrite
 
あなたがスーパーで,たくさんの新しいスナック菓子の中から1つ選ぶとしたらどのような基準で選択するでしょうか?特徴的で目に付くパッケージが大きく気を引くことは間違いないでしょう.
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製品パッケージのカラーと素材はブランドが成功するための大きな鍵となります.近年,メタリック素材のようなパッケージが特に注目を集めています.消費者にとっては魅力的なデザインですが,印刷会社にとってはコストが高く,色管理の難しいチャレンジングな仕事になります.
紙ベースの印刷では十分な品質のカラーマネージメントワークフローを構築していても,メタリック素材への印刷となると話が変わります.しかし,それはあなたの会社だけではありません.ベースとなる素材(基材)の反射特性が大きく異なる場合,その印刷・色管理のワークフローは必ずしも同じものではありません.
それでは,メタリック素材への印刷では一般的な印刷の色管理と,どこがどう違うのかを見てみましょう.

1. メタリック素材へ印刷する場合の3つの良くある間違い

間違いその1) 45/0測色計の使用

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45/0の測色計ではミラー表面の色を正確に捕えることができません.
45/0は測定器の光学幾何条件,つまり,どの方向から光をサンプルに照射し,どの方向でサンプルの反射する色を捕らえるかという条件です.45/0はサンプルの法線(垂直)方向から45°の角度で照明し,0°の角度で受光することを意味します.
紙やフィルムへ印刷する多くの印刷現場では,45/0の測色計で正確な色品質の特徴を捉えることが可能です.これは,この測定方式がインキ膜内や紙(基材)で均等に散乱された光の代表的な一部を捉えて評価するためです.また,紙の印刷では,正反射方向の反射はサンプル表面からの反射が主で,照明の特性そのものが反射されるだけになります.一般的に人はこの方向を避けて色を評価します.しかしながらメタリック素材での印刷では,反射された光は正反射方向に集中し,45°方向からの照明ではサンプルの法線方向(0°方向)にはほとんど光が反射されません.このため,メタリック素材へ印刷したサンプルを45/0の測色計で測定すると非常に暗い色(ほぼ黒)として測定されてしまいます.
さらにインキの色材濃度(原料の投入量)による複雑さも加わります.インキを追加で投入していくと,インキにより多くの光成分が吸収されます.インキの透明性のため,インキ内では光は部分的に吸収され,散乱は概ねベース素材(基材)によってもたらされます.このため,紙を使用した印刷では異なるインキの投入量でも結果が予測しやすいものとなりますが,メタリック素材の場合,この予測が大変難しいものとなります.

間違いその2) 白インキの先刷り

白インキを最初に印刷し,その上からインキをかぶせる.理論的には正しいやり方ですが,現実的には非常にコントロールの難しい印刷となります.なぜなら,この印刷方式の品質を左右する白インキの隠蔽能力を面内全体で均質に保つことはきわめて難しいからです.

間違いその3) 目視での品質評価

高反射素材の目視評価というのはほぼ不可能といえます.パッケージをある方向に持って目視評価したときOKの色が,横に向けたり,太陽光の下に持ち出して観察したりすると色が変化してしまいます.あなたの意見では合格で問題の無い色かも知れませんが,ブランドオーナーが同じようにサンプルを観察評価するとは限りません.最終的な色はお店の他のパッケージとマッチングがとれているでしょうか?
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メタリック表面の色を管理するには,いつもとは違うワークフローを導入する必要があります.違うツールも必要になります.

2. メタリック素材への印刷における3つのポイント

ポイント1) 積分測色計の使用

45/0測色計とは異なり,積分球タイプの測色計では全ての方向からの反射光を補足し正確に測定します.このタイプの測色計のもうひとつのメリットはSCI・SCEという2つの異なる測定方式を利用できることにあります.(SCIはSpecular Includeを意味し,サンプルからの正反射光を含んだ全方向からの反射光測定を行います.また,SCEはSpecular Excludeを意味し, SCEから正反射光の成分を除いた,しかしながら,大きく見るとやはり全方向からの反射光測定を行います.)
多くのユーザーがこのSCIを使用してメタリック素材上の色を測定しています.なぜなら,金属というのは正反射方向に色の特性が反射されるためであり,また,この測定方法が最も安定した測定結果が得られるためでもあります.しかしながら,最近の積分測色計には,さらにさまざまなフレキシブルで便利な機能や計算方式が採用されています.是非,SCI/SCEによる多彩な機能をチェックしてみてください.このような機能はまた,いずれかの機会にこのコーナーでご紹介したいと思います.
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 積分測色計Ci64はメタリック素材上の色の判定に最適なツールといえます.

ポイント2) 基準色のデジタル化

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紙の上の印刷同様,数値による色の管理により,間違いの入り込む要素をできる限り除いていきましょう.基準色をデジタル化することで全ての工場間で,また,クライアントとの間のコミュニケーションで生産色を正しく比較検討することが可能になります.
デジタルによる安定した基準が確定すれば,インキのレシピを合理的に確定することができます.このプレスレディーインキ(配合調整済みインキ)をセットすることで,調色担当者がプレス上でインキの振れを補正する必要がなくなります.このことはまた,プロセスの変動要素の評価を簡単にします.つまり,いつも同じインキが供給されているのであれば,変動要素はおそらくプロセス側ということに特定することができます.

ポイント3)ソフトウエアを使用した変動のモニターと管理

X-Rite ColorCertやColor iQCのようなソフトがプロセスの変動成分をモニター,トラッキングするうえで非常に役に立ちます.多くの場合,許容範囲や許容限界が品質管理者やブランドオーナーによって設定され,生産における色差(ΔE)の変動を簡単にすばやく確認することができるようになります.
数値的にモニタリングすることで色の変動の傾向を認識し,トラックし,把握することができます.ソフトウエアの使用は,さらにメタリック素材への印刷で目視では気が付きにくい以下の点を明確にします.
測定の一環として白色度を測定することで,下地白の品質を定義,管理することができるようになります.
・オーバーホワイトとオーバーブラックの測定により白の隠ぺい力を確認します.メタリック素材上の白の隠ぺい力は非常に重要で背後のメタリックをどれほど覆い隠す能力があるかをチェックします.
・インキ着色力の測定は,どこに問題があるかを明らかにします.色がばらついていますか?着色力の変動はインキの色材濃度(インキ膜厚)の問題ですか?着色力の測定は濃度測定だけよりも多くの情報をもたらします.
・SCIとSCEの比較により光沢のレベルを評価することができます.最近の積分測色計ではSCIとSCEを同時に測定するため,ソフトウエアを使用したこれらの比較により光沢レベルをチェックすることができます.
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メタリック素材のCi64による測定.上はSCIの測定による色で,下がSCEによる測定の色.SCIには正反射光の要素が含まれて測定しているため,下のSCEよりも明るくなっています.
メタリック素材への印刷は非常にポピュラーになってきていて,すぐには無くなりそうにありません.これらの3つのガイドラインを参考に高反射素材への印刷への品質管理にお役立てください.
By MARK GUNDLACH 
Solutions Architect

 

 
 
この記事はX-rite Japanより承諾を得て引用されています。
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