Letter_31

14_色彩値の2°と4°?

 

前回の話で人の視覚の波長応答特性としてCIERGBの等色関数ができたとこまでを説明しました。
それは、こんな感じの応答特性でした。
 
 
RGB表色系の等色関数
 
図-30 RGB表色系の等色関数
 
このCIERGB表色系の等色関数は一部に負の刺激値を含むため、計算機の発達していない1931年当時では計算が複雑になりがちでした。 そこで、どのみち生理錐体の応答特性そのものではないのだから、「さらなる線形変換をしても特に文句は無いでしょう...」ということで、全ての関数の値が正(非負)になるよう新しい仮想の原刺激[X],[Y],[Z]を定義し、CIEXYZ表色系を導入しました。
 
RGB表色計からは
 
20170810 jp
 
という行列変換によって線形一次変換で求められるようになっています。
結果として得られた等色関数は図-32のようになりました。
 
 
CIEXYZ表色系の等色関数
 
図-32 CIEXYZ表色系の等色関数
 
これにより、r ̅(λ),g ̅(λ),b(λ)からx ̅(λ),y ̅(λ),z ̅(λ)が求められました。この際、y ̅(λ)を明所視での分光視感効率のV(λ)*と同じにしたことで、Yの値が放射測定では、測光量の輝度を表すように工夫されました。また、反射測定では完全拡散反射面でY=100になるよう正規化することでYが視感反射率になるようになっています。
 
* 分光視感効率V(λ)は555nmの感度を1とした平均的な人間の波長感度です。
 
このCIEXYZ表色系は、それまでのGuildとWrightがおこなった被験者17人(それぞれ7人と10人別々におこなった実験) による平均値が使用され1931年にCIEにより定められました。この際、目の中の錐体のなかで色覚能力の高い中心窩から立体角にして2°の領域が調べられました。
 
しかし、中心窩のあたりには黄斑色素が存在し他の領域と色覚が異なること、また、2°視野の観察条件は極めて狭い範囲の色覚であり、人は通常もっと広い範囲で色覚判断をしているという観点から1964年に10°視野での等色実験が実施されました。

1931表色系の実験が17人の被験者全て白人の20代男性で,色覚異常テストがおこなわれていなかったことに関しても再実験をする必要があったようです。

 
その結果、1964年の等色関数は1931年のものとは少しばかり異なる応答特性となりました。
この表色系はX10 Y10 Z10表色系と呼ばれています。図-33に2°視野と10°視野の応答特性の違いを示します。
 
 
視野と10°視野における等色関数の違い
 
図-33 2°視野と10°視野における等色関数の違い
 
さて、ここで2つの応答特性が登場したわけですが、どのように使い分けるのでしょうか?
 
それは、色を評価する対象が4°以下の視野を使用して色を評価する場合では2°視野を使用し、4°以上の視野を用いて色を評価する場合は10°視野を使用するということになっています。
グラフィクスの場合、均一な色の領域は比較的小さいため2°視野を使用します。一方、車のボディー色(自動車 塗料)のような大きな領域で均一な色が使用されている場合、10°視野を使用します。
ただし、グラフィクスの業界でもスクリーン印刷などでは10°視野を使用するのが一般的になっています。
現実的には、実際に評価する色の領域の大きさ(カラー評価)というよりも、コミュニケーションする業界がどちらの等色関数を慣習的に使用するかで決まってしまいます。
 
このように2°の等色関数を持つ仮想的な観測者をCIE1931標準観測者もしくは2°視野標準観測者と呼び、10°の等色関数を持つ仮想的な観測者をCIE1964標準観測者もしくは10°視野標準観測者と呼びます。
 
ということで、3つの要素の概略を説明してきましたが、これで3つの要素から色彩値を求める準備が整いました。
次回はこの3つの要素からどのようにして色彩値が導かれるかを説明します。
 

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この記事はX-rite Japanより承諾を得て引用されています。
詳細をご覧になりたい方はxrite.co.jpへどうぞ。

 

Letter_30

ワークフロー全体において一貫した色を得るためのツール

 

ワークフロー全体において一貫した色を得る道は、長い旅路のようなものです。
 
数週間前、私は、カラーマネジメントプログラムを開始するときに皆さんが遭遇する最も一般的な落とし穴についてブログに書きました…
 
•間違った照明
•色の認識能力についての過信
•間違った色見本
•デバイスごとに異なる色表示
 
…そして、それらを克服するためのいくつかの安価なカラーツールをご紹介しました。
 
 
一貫した色を得る道
 
しかし、この旅はそこで終わりません。もし、何年も色をうまく管理してきたとしても、インク、染料、素材の進歩は新たな課題をもたらし、そして多くのブランドが求める色の許容範囲は、より厳しくなってきています。正しい色を得ることは、以前よりもはるかに困難です。
 
今日は、より一貫した色を得るための次のステップへ進むのに役立つ、より高度なツールをいくつか見ていきます。
 

照明のコントロール

 
 
照明のコントロール
 
家に帰ったら全く色が違って見えるものを買ったことがありますか?
 
ライティングブースを使用することで、さまざまな種類の光が見えにどのように影響するかを視覚的に評価することができます。また、さまざまな部品が組み立てられた後に、最終的な製品をカラーマッチングさせるためにも役立ちます。
多くの製造業者は、サプライヤーから材料を受け取るとすぐにその材料をカラー評価するため、ライティングブースを使用します。結局のところ、生産に入る前に色の問題を特定することは、とても費用対効果が高い方法です。
 
 
照明のコントロール
 
蛍光増白剤は、紙、プラスチック、およびテキスタイル業界において広く普及しています。 通常の照明条件下で見ると、これらのプラスチック部品は明るい白色に見えます。 しかし、ライティングブースのUV光の下で見ると、追加された蛍光増白剤の効果を見ることができます。通常の照明条件下で見た明るい白色はもはや、同じ色には見えません!
 
ライティングブースに投資しないことでお金を節約しているように思えるかもしれませんが、実際にはライティングブースを使用しないことで、長期的なコストはもっと多くかかってきます。X-Rite社のライティングブースには、光源の数から価格まで、非常に幅広いラインナップを取り揃えておりますので、お客様のニーズに合ったライティングブースがきっと見つかるはずです。
 

カラー測定機

ライティングブース色の管理において非常に重要な部分ですが、いくつかの制限があります。もし品質管理者が完璧な色覚を持っていない場合、ライティングブースが色の決定をするのに役立つことはほとんどありません。
 
 
照明のコントロール
 
私たちのオンラインカラーチャレンジは、あなたの色覚の鋭敏さを知る楽しい方法ですが、 色覚を確実に知る唯一の方法は、ファンズワース・マンセル100ヒューテストを受けることです。
 
カラー測定機の素晴らしい点の1つは、常に安定した結果を得られることです。測色計は人間のように、注意をそらされたり、疲労、年齢、色覚異常などに影響されることはありません。ブランドオーナーとデザイナーはカラー測定機を使用してカラーを指定し、伝達し、製造業者はそれらを使用して製造中のカラー精度をチェックします。
 
カラー測定機には、色彩計と分光測色計の2種類があります。
 
 
カラー測定機
 
0/45°分光測色計は、45度に固定された角度で反射した光を測定します。
これらは通常、滑らかな表面、または艶消しの表面の色を測定するために使用されます。
 
色彩計は人間の目のように色を3つのチャンネルで「見る」装置です。一部の業種にはこれで十分なデータを提供できますが、他の業種においては色彩計のみでは重要なカラーマッチングエラーを特定できない場合があります。
 
また、分光測色計も色を捕らえてカラー評価しますが、光を非常に狭い波長範囲にフィルタリングすることで動作し、その波長は光学装置を通って受信器に入り、分析されます。分光測色計を使用し、可視スペクトルによってサンプルの反応を読み取ることは、仕様、公式化、精査および品質管理のためのカラーデータを得るための最も正確な方法です。
 
分光測色計は、液体、プラスチック、紙、金属、布など、あらゆるものを測定することができます。 ライティングブースと同じように、精度や価格において幅広いラインナップ、さまざまなオプションをご用意しています。 X-Rite社は喜んであなたのニーズに合った最良のものを選ぶお手伝いをさせていただきます。
 

一貫した色を得る準備はできていますか?

以前、ブログ「もはや視覚評価だけでは十分ではない?」で共有したヒントに従い、そして、たとえ入門レベルであってもライティングブースやカラー測定デバイスを追加することで、あなたのワークフローにおける色の精度と一貫性は劇的に改善されます。
 
しかし、これで終わりではありません。はじめにお話しした通り、素晴らしい色を得る旅は依然進行中です。 次のブログでは、さらに次のレベルのカラーコントロール - 外観とバーチャルデザイン - についてお話しましょう。どうぞお楽しみに!
 
 
#カラー評価 / #ライティングボックス / #ライティングブース / #ハーモニールーム / #マンセル表色系 / #マンセル / #分光測色計 / #色の管理 / #カラーマネジメント

 

 
この記事はX-rite Japanより承諾を得て引用されています。
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Letter_29

大手FMCG(日用消費財)メーカーが教えてくれたパッケージのブランド・カラー・レッスン

 

グローバルなパッケージング(包装)サプライチェーンで2,000色以上のブランドカラーを管理(色管理)しようとすると、どうなるでしょうか? とても複雑なことになってきます!
 
 
ブランドカラーを管理
 
最も近いカラーマッチを見つけるためにデータベースやカラードローダウンのファイルをひっくり返し探すより、新しい色を作成するほうが簡単かもしれません。しかし、後で、管理不能な巨大なライブラリーができてしまう問題が発生します。
X-Rite社のクライアントの一つで、誰もが知る大手消費財生産会社は、物事がいかに簡単に制御不能になるかを理解していました。 彼らは、独自のカラーライブラリーを使用することで生じる時間とコストの非効率性を克服しようと戦っていただけでなく、ブランドカラーの作成、伝達、管理の標準化に欠けていることを知っていました。生産コストは高く、品質は悩ましいものでした。 彼らは何かを変えなければならないことを分かってはいましたが、どこから始めるべきか知りませんでした。 そんな時、私たちはクライアントに出会いました。
今日、私たちの予測を超えた成功事例を共有しています。
 
カラーライブラリーが制御不能になるとどうなるでしょうか?
クライアントである会社の代表者は、2000色以上のカラーライブラリーを発展させることが意味することをこう説明します。「私たちは独自のカラーライブラリーを使用して、Pantone社が50年以上にわたって仕様と伝達を標準化してきたことと、本質的に同じことをしているのだと気づいたのです。 」品質も悩ましいものでした。 プロジェクトを開始する前に、我々は新しく作られたばかりの歯磨き粉のパッケージ(チューブ)をカラーサートのスコアカードColorCert Scorecards評価(カラー評価)しました。 得点は100点中14点~25点と、合格点数の50点にも達しませんでした。
 

PantoneLIVEが改善します!

PantoneLIVEは、印刷会社やパッケージ(包装)印刷会社が、サプライチェーン全体を通して正確で達成可能な色を共有することを可能にします。(パッケージのカラーマネジメント) 共通のカラースタンダードを使用することで、ブランドオーナー、デザイナー、印刷担当者は、異なる基材、インク、印刷機、で達成可能なものは何かを正確に把握し、色を管理することができます。
PantoneLIVEを使用し、当社のサービスを活用することで、この会社はカラーライブラリーを統合し、基材、色材、印刷方式にあわせたスタンダードをPantone Colorsにマッピングし、カラー伝達プロセスを標準化しました。 これから、それを実現するため採用したカラーマネジメントサービスについてお話ししましょう。
 
 
カラーマネジメントサービス
 

1 - 私たちはアナログ的に集められていたファイルから、デジタル値を集めました。

 
その後、各色の分光データをPantone Colorsへ、クライアントの指定した許容範囲内でマッピングしました。 ブランド固有のカラースタンダードからPantoneに移行することで、無駄な余剰を減らし、より種類の限られた、管理しやすいパレットに仕上げました。
 

2 – 近い色を統合することで、カラーを合理化しました。

 
合理化とは、カラーライブラリーを分析し、事実上同じような色のデータを統合するサービスです。 この合理化されたカラーセットが標準のPantone®マッチングシステム(PMS)のマスターカラーにマッピングされ、PantoneLIVEで参照できるようになります。 ブランドカラーがPMSカラーにマップされていない場合、PantoneLIVEプライベートライブラリーにカスタムカラーを追加できます。 このビデオ(英語)では、X-RitePantone Senior Color Scientistの Edward Hattenbergerが、カラーライブラリーの合理化とマッピングの多くの利点について説明しています。
カスタムカラーとPantone Colorが類似している場合は、Pantone Colorに置き換えました。色差がはっきりと認識できるほど大きい場合、ブランドオーナーは最も近いPantone Colorに置き換えるか、新しい色を作成するかを選択できます。私たちは最終的に約100色の新しい色を作成しました。約3分の2がPantone Libraryに標準Pantone Colorsとしてインポートされ、残りの色は会社固有のものになりました。 最終的に、カラーの合理化によって当初2000色以上もあったパレット色の数が元の約半分に減ったのです!
 
 
カラーを合理化
 

3 - 印刷サンプルをカラー評価し、比較しました。

視覚的評価に加え、実際の印刷サンプルとPantoneLIVEのデジタルな従属スタンダード(基材やインク印刷方式を考慮したターゲット)と比較しました。
 

4 - サプライチェーンで全ての人が同じカラーソースにアクセスできる。

これはPantoneLIVEの素晴らしい機能の1つです。サプライチェーン全体で誰もがデジタルカラーライブラリーを利用できるようにする機能です。
 

めざましい結果

ついに、この会社はカラーライブラリーを約2,090色から1,035色に縮小しました。 これは、デザイナー、代理店、ブランドマネージャー、プリンター/パッケージングコンバーターが、幅広い色から選択し、伝達する、より迅速でより費用対効果の高い手段を手にしたことを意味します。
 
 
カラーを合理化
 
ブランドオーナーは、新しいプロジェクトや印刷品質を評価するために、指先ひとつでカラーデータを取得できるようになりました。 デザイナーは、PantoneLIVE Visualizerにアクセスすることができます。PantoneLIVE Visualizerは、選択された色が異なる基材、インク印刷方式上、異なる照明条件下で、どのように表示されるのかを見ることが出来るアプリケーションです。 また、印刷担当者は生産全体の一貫性を管理できます。
 
しかしおそらく、最も劇的な変化は、品質の向上です!デルタE 12という高い値からデルタE 0.98という平均値まで下げることが出来ました。冒頭でお話した歯磨き粉のパッケージを覚えていますか? PantoneLIVEを実施した後、同じ歯磨き粉チューブの最初のColorCert Scorecardは、100のうち89点まで向上しました!
 
このパイロット・プロジェクトが成功した後、同社はプリントサプライチェーン全体でこのプロセスを展開し始めました。 「現在、標準的な操作手順があり、X-Rite Pantoneのカラー専門知識を活用し、品質が飛躍的に向上しています。 これにより、市場投入までの時間を短縮し、全体的なコストを削減することができました。 また、Pantoneはライブラリーに色を追加できるため、我々は必要に応じて独自の色を作成することができます。 これは、全体的な品質と効率に大きな違いをもたらしました。Xrite社の援助なしには達成できなかったでしょう。」
 

PantoneLIVEに興味がありますか?

 
PantoneLIVEの利点を得るために、2000色のカスタムライブラリーが必要な訳ではありません。 X-RitePantoneが店頭でブランドが際立つパッケージ作りをお手伝いできるかについて、お気軽にお問合せください。 PantoneLIVEで優れたブランドカラーを達成する方法の詳細については、以下の無料のリソース(英語)をご覧ください。
 

◆ on-demand webinars (オンデマンドのオンラインセミナー)

 

◆ blog(ブログ)

 

YouTube

 
 
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Letter_28

なぜ印刷された色が違って見えるのか:計測の必要性

 

もし世界がパーフェクトな世界だったら、印刷機にインクを入れて印刷したとすれば、一貫した色が実現できるでしょう。しかし残念なことに、フレキソ印刷およびグラビア印刷作業は毎年、正しい色を得るためにインク、基材および印刷にかかる時間を無駄にしています。
 
 
カラー管理の8つの注意点
 
技術の進歩によって正確な色へ到達するのは容易になりましたが、色に影響する不確定要素は依然として存在します。このシリーズでは、色が違って印刷されしまうことの多くの理由を紹介していますが、今日のトピックでは、印刷のカラー管理の8つの注意点を掲載しています。
 

1 - 間違った機器の選択

私たちのeXact500シリーズ製品グループのような0°/ 45°のエックスライト 分光測色計は、印刷やパッケージング カラーマネジメントの分野で非常に人気があります。しかし、ポリまたはアルミフォイルのような反射材料やメタリックインクによる印刷の場合は、積分球分光測色計を使用する必要があります。
 
 
積分球分光測色計
 
反射面は、光沢の効果を受けて、実際のサンプルの色の見え方を変えてしまう可能性があるため、難しくなります。0°/ 45°分光光度計は、光沢を除外して測定するため、0°/ 45°でホイルを測定すると、本来の色とは違った値が得られてしまいます。ポータブル積分球分光測色計 Ci64のような積分球測色計を使用すれば、正反射を含めたり除外したりして測定できるので、人間の目に見える色と一致させることが出来ます。私たちのブログ「反射面を測定する効果的な方法」(英語)をご覧ください。
 

2 - キャリブレーションされていない、または故障した機器の使用

キャリブレーションが不十分な機器、特にうっかり落としてしまったような機器は、間違った値を示すことがあります。計測器が正しく読み取れない場合、またキャリブレーションを頻繁にしていない場合、その値をもとにしてカラーマネジメントソフトウェアが正しいとする色を作ったとしても、あるべき色と違ってしまう可能性があります。
 
 
定期的にキャリブレーションを行う
 
このよくある問題は、適切なデバイスメンテナンスで簡単に解決できます。少なくとも使用者が変わる前ごとに、定期的にキャリブレーションを行うことが大切です。計測器が正しくキャリブレーションされない場合、または測定値が実際の値とあまりに遠く離れている場合は、おそらくサービスの対象となります。私たちのブログ「分光測色計のお手入れ」(英語)では、私たちエックスライトのサービスや品質保証について説明しています。
 

3 - 間違った光源設定の選択

常に「サンプルを観察する光源」と「測定器の光源」を同じように設定することを忘れないでください。ほとんどの印刷施設は、D65/10°の正午の太陽光やD50 / 2 °の地平線の日光のもとで色をチェックしますが、時には前もって独自の許容範囲を指定されることもあります。印刷作業を開始する前にこれを確認してください。
 

4 - 適切なデルタEを設定する

Delta E CMCは1988年に開発されて以来最も人気がありましたが、現在はデルタE 2000がその役割を牽引しています。この新しい計算式は、カラーサンプルの測定に関してより寛容です。詳細については、エックスライトのブログ「許容ブログ」(英語)をご覧ください。 一部のワークフローでは、顧客によってデルタEの計算を切り替える必要があります。前印刷準備の忙しさの中で、忘れられてしまいがちなポイントです。
 

5 - バッキング(測定サンプルの下に敷くもの)を選ぶ

プリントサンプルを何の上に置くかは非常に重要です。多くのサンプルは完全に不透明ではないため、測定器は背景からもカラーデータをピックアップし、測定結果に影響を与えてしまいます。バッキングを使用すると、計測器は測定したいカラーデータのみを読み取ることができます。
ステンレススチールや木製のテーブルは良い背景ではありません。一貫した測定のためには、常に同じ黒または白のバッキングを使用してください。ISO認証バッキング材を購入することもできますが、ホームセンターでセラミックタイルを購入して使用するのも良いでしょう。ただし同じロットの色であることを確認するようにしてください。また、標準値の測定を印刷側で使用するのと同じバッキング材で測定することも忘れないでください。
 
 
カラー測定デバイス
 

6 - 手動によるL * a * b *値の入力

これもよく見られる問題です。印刷担当者へ色を測定したときの反射率データを含まないL * a * b *値を送ってしまうと、いくら印刷担当者が手動で標準のL * a * b *値を正しく入力しても、最終的な色が正しく出ない可能性があります。 カラー測定デバイスを使用してカラーマネジメントソフトウェアに標準を読み込み、.mifまたは.cxfファイルとしてエクスポートするのが最善の方法です。これらのファイルは、クライアントとの間で簡単にメールでやりとりすることができ、誰もが反射率データを含む同じ、デジタルの基準色から作業することを可能にします。
 

7 - 誤ったフィルタ(M0、M1、M2、M3)の使用

紙に含まれる蛍光増白剤を調整するために、ますます多くの印刷担当者が測定器をM1で設定しています。GRACOLを含む業界は、この設定を採用する方向に傾き始めています。もしあなたの印刷担当者が切り替えていない場合、一部の標準値がどちらか一方を使用して入力された可能性があることを理解することが重要です。これらのM設定に注意してオペレーションを行ってください。そして、この設定の切り替えを行うときには、多くの基準値を再入力する必要があるかもしれないことを覚えていてください。
 

8 - 異なる操作手順

これらの手順に従う印刷担当者が1人だけしかいなければ、色の一貫性は保てません。すべてを文書化し、ワークフローに関わる全員に伝える必要があります。標準的な運用手順書(SOPs)は、ロードマップを提供し、問題解決をサポートし、新入社員を訓練するのをはるかに容易にします。SOPsが適切に作成され、実行されれば、シフトやロケーションに関係なく、誰もが分光測色計を同じように操作できるようになります。
 

次回は

「なぜ印刷された色が違って見えるのか」第2部では、基準値とインクに関する問題についてお話しします。引き続きエックスライトのブログにご注目ください。
 
 
 

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この記事はX-rite Japanより承諾を得て引用されています。
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Letter_27

色は私たちの世界にどんな影響を与えているのでしょう?

 
エックスライト・パントン社は、お客様が色を指定、コミュニケーションし、色を生成、一貫して管理することを、自信を持ってサポートしています。
私たちの主なマーケットであるプラスチック・工業用コーティング・印刷・包装などの業界に読者の皆さんも精通しているかもしれません。
また、塗料、印刷面、テキスタイルといった私たちが一般的に測定を行うことについてもご存知かもしれないでしょう。
 
しかし、飛行機で緊急出口を探したり、蝶の羽ばたきを見たり、食料品店から一番新鮮なチーズのパッケージを選んだりする時に、色がどんな役割を担っていたのか考えることがあるでしょうか?
 
今回は、皆さんに色についての違った見方をしていただくため、エックスライトカラーマネジメントソリューションが使用されている非常にユニークな例をご紹介します。
 
 
作物の土壌適合性
 
農家ではマンセル土壌図表を使って作物の土壌適合性を評価しています。
 

食品&飲料

 
あなたは牛肉を買う時、茶色のパッケージと緑色のパッケージと、どちらを選びますか?
魚や肉から、パンやスパイスといったものまで、色は新鮮さと品質の主要な指標の1つです。
エックスライトの分光測色計は、どの食品がUSDA規格に合格し、店頭に並べることができるかをチェックするために、世界中で使われています。
 
 
食品のカラー測定
 
ナショナルチーズインスティチュートは非常に厳しい基準を定めており、どの商品が基準に達しているか、
食品のカラーの測定するためにエックスライトの製品が頻繁に使用されています。
 
 
メーカーはまた、分光測色計を使用して、製品の劣化の程度を判断します。
慎重な食品のカラー測定と品質の追跡調査を行うことで、賞味期限を高精度に設定することができます。
よく知られていることですが、食品は多様な形、大きさ、テクスチャー、透明度を持つため、カラー測定は非常に難しくなります。

そこで、固体液体にかかわらず食品のすべての生産工程で使用できるエックスライトカラーマネジメントソリューションをいくつかご紹介します。

米国でオレンジジュースを販売するなら、エックスライトカラーマネジメントデバイスカラーマネジメントソフトウェアを使った色の指定、分類は避けて通れません。
オレンジジュースホルダーの取り付けが可能なCi7x00 ベンチトップ型積分球分光測色計は、品質と分類の決定に最適です。
 
 
非接触型VS450
 
この非接触型VS450は、ねじれたキャンディーの色を測定できます。スパイスのような粉末の測定にも非常に効果的です。
 
 
スパイスのような粉末の測定
 
 

歴史‧人類学研究

 
色測定技術のもう一つの興味深い適用例は、歴史および人類学研究分野です。
多くの美術館や大学では、美術作品の復元、修復、保存にエックスライトの計測機器を使用しています。
オリジナルの色を測定することによって、注意深くオリジナル作品にカラーマッチングさせ、元の作品にダメージを与えたり、修復作品が不正確なものにならないようにすることができます。
 

航空宇宙産業

 
私たちが取り組んできた最も興味深いパートナーシップの1つは、航空宇宙旅行の安全性を高める仕事です。
私たちは、国際宇宙ステーションに貨物船と人間の船をドッキングするための特別な反射パネルの開発をサポートしました。
また、飛行機の緊急時の照明反射率(通常の照明の下で容易に見えるドアの色についてだけでなく、非常時にも操縦室のドアや緊急照明が見える反射率について)に関する調査も実施しました。私たちはこれらをとても誇りに感じています!
 
 
宇宙船被ばくの危険性認識
 
ミシガン州グランドラピッズのエックスライト本社の壁に飾られている記念写真
(写真左は野口聡一宇宙飛行士です)。
宇宙飛行士が宇宙船被ばくの危険性認識を維持できるように、
被ばく量を監視する燃料電池のカラーマッピングをサポートしました。
 
 

医療および歯科分野

 
適切なカラーマッチングは、歯、四肢および顔の一部に使われるプロテーゼ(人口装具)を作製する際に重要であり、エックスライトはこれらの医療および歯科分野と協力関係にあります。歯を補修する場合を考えてみましょう。
完璧なマッチングには、単純な色の考慮だけでは足りません。
歯には色と外観の両方の見方があり、エックスライトのカラー測定技術は、最も正確なマッチングのために色、光沢、反射率の側面を考慮します。
こちらのブログ(英語)で1人の男性の例を詳しく紹介しています。
 
 
人口装具
 
科学と芸術、双方の膨大な作業により完璧な表現が可能になります。
左が人口装具で、右が実際の耳です。
色や外観がどれくらい注意深く、厳密に再現されているか、ご覧ください。
 

骨の修復および関節置換

 

ほとんどの人は、皮膚の下で起こることなので、この分野で色が役割を果たすとは考えていません。
しかし、やはりここでも色が重要な役割を果たします。
さまざまな医療処置のためのネジやピンは、外科医、助手、看護師が毎回正しいサイズと長さのものを使用できるために色分けされています。
当社のポータブル積分球分光測色計 Ci64のようなデバイスは、非常に細かいスポットのカラー測定が可能なため、この分野で非常に人気があります。
外科医が正しい部品を使用しているかどうかについてあれこれ考えなくてすむためにも、ねじの一本一本の整合性は非常に重要です。
 
 
ポータブル積分球分光測色計Ci64
 
エックスライトのポータブル積分球分光測色計Ci64は、金属面を測定するのに最適です。
 
 

植物と動物の研究

 
 
植物を分類
 
Plant Tissue Color Chartは、フィールドガイドが色、種、属によって植物を分類するのに役立ちます。
 
生物学者、動物学者、植物学者、地質学者、人類学者はすべて、その分野で色彩測定を行っています。
エックスライトの製品を用いて研究された興味深い例として、甲殻類および鮭の育種パターン、水の適性検査、動物の皮の分類などが挙げられます。
さらには、鳥と飛行機の衝突を緩和するための鳥の個体数や保存研究についても空港と協力して行いました。
 

ハンディキャップへの適応

 
米国障害者法は、公共、市町村、政府建築物に視覚障害の人でも容易に出入り口が見つかるよう、さまざまな反射物を取り付けることを要求しています。
これは光反射値とも呼ばれ、私たちは今日使用されている政府のガイドラインの策定をお手伝いする機会を得ました。
エックスライトの計測器は、塗料会社がこれらの政府ガイドラインに適合する光反射値を達成するのにも役立ちます。
 

カラー測定についてご相談はありませんか?

 
カラー測定をこれから始めるお客様も、エックスライト製品にあまりに馴染みがない方も、お気軽にお問い合わせください。
弊社では、サンプル測定サービスや、測定のご相談についてお電話やメールで受け付けております。
 
 
◆問い合わせ先
TEL:03-5579-6545
E-mail:info@xrite.co.jp
*本Websiteのお問合せフォームからもお問合せいただけます。
 

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Letter_26

多角度分光測色計

車の塗装(自動車 塗料)を見たときに、見る角度によって変わった印象を受けたことはありませんか?明るさが変わるときもあれれば、色が変わるときもあります。これは塗料の中に金属粉末やパール顔料を含ませて、光の反射特性を変えているからです。一般的には意匠性を目的に利用されており、ハイライト(正反射)とシェード(水平に近い角度)のコントラストを与えています。
 
 
車の塗装
 
このような製品は、大きな製品であればご自分の顔を動かしてご覧になったり、比較的小さなものであれば手で持って手首で角度を変えてご覧になったりしているのではないでしょうか。
また受ける印象は、光源の種類、光源の照射角度、目視する方向、目視される方によって受ける印象が変わってきます。複数の測定の条件が絡み合って得られる情報も多いため、管理できないと思われているのではないでしょうか?
 
では一体どうやって管理(色の管理)すれば良いのでしょうか?
 
一般的に言われることですが色は個人差が非常に大きい物理心理量になりますので、正確にコミュニケーションを行う場合はまず色を数値化することが大切です。数値化によって、年齢・人種・性別・国籍を問わず数値で話ができます。扱う数値で最も一般的に使用されている値にCIE L*a*b*があります。L*a*b*は検証条件にあった光源と観測者のテーブルが用意されていますので、光源の種類と観測者条件が決まれば簡単に数値化出来ます。
 
次にどのような測色計を選択して使うかです。角度依存しないサンプル(例:ソリッドカラー)であれば、1光源1受光角といった最もオーソドックスな測色計が適していますが、角度依存するサンプルの場合は観測する角度を変えてみることが要になりますので、複数の受光角度をもった測色計が適しています。エックスライト社では、ASTM/DINに準拠した3つの多角度測色計をご用意しております。
 
MA94(1光源5受光) / MA96(1光源6受光) / MA98(2光源19受光)
 
 
エックスライトMA9x
 
このMA9xシリーズは、世界中の自動車完成車メーカ様にご採用いただき、各サプライチェーン全体で使用されている測色計のベストセラーです。ブランディングの面からも意匠は今後ますます重要となり、また製品のトレーサビリティを確立するために一部では全数検査を採用されている完成車メーカ様もいらっしゃいます。サプライチェーンにおきましては、最も製品の歴史があり採用数の多いエックスライトMA9xのご採用で、品質改善の持続並びにトレーサビリティの確立によって、更なるビジネスチャンスを獲得することも十分可能になるのではないでしょうか?
 
 

 

この記事はX-rite Japanより承諾を得て引用されています。
詳細をご覧になりたい方はxrite.co.jpへどうぞ。
 

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