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エックスライトPantone® は、色管理の科学と技術をご提供し、ブランドやコンバーターでパッケージのデザインや色の要求を実現するお手伝いをいたします。昨年、アトランタにて「HOW Design LIVE 2016」が開催され(昨年掲載された英語版のブログをご紹介しています)、エックスライトは出展いたしました。ここで発表されたデザイナーが求める色を実現する最新のカラーコントロールツールをご紹介いたします。
「HOW Design LIVE 」は単なるカンファレンスではなく、業界をリードするデザイナーや企業が一堂に会し、インスピレーションとクリエイティビティを披露する場です。弊社はこの名誉ある場において、PantoneLIVE Cloud™, PantoneLIVE Designer, Digital Drawdowns, Digital Tolerances Guidesを発表しました。
 
 
色の伝達のズレ
以上の図では、よく起こりがちな、パッケージの工程が進むにつれて、色が変わっていってしまう状況を説明しています。PantoneLIVEは、ターゲットとする色をデジタルカラーデータとしてを的確に共有することで、このような色の伝達のズレが発生する可能性を排除します。
 
今日は皆様に、「HOW Design LIVE」で公表した、弊社の最新技術をご紹介します。
 

1.PantoneLIVEクラウド

 
PantoneLIVEがあれば、サプライチェーンの全体が繋がり、より素早く正確なデジタルカラーを共有できるようになります。つまり、クライアントであるブランドとデザイナーが、インク、プリプレス、コンバーターや、印刷といった各工程の担当者たちと、全く同じデジタルカラーデータに基づき作業が行うことが可能となります。
 
 
PantoneLIVEクラウド
 
PantoneLIVE Librariesには現在、1万種類のPantone Colorsが蓄積されています。とはいえ、多くの場合、ブランド独自の色を利用する必要があることから、PantoneLIVEクラウドにはオリジナルカラーの生成機能も搭載いたしました。TiffanyVeuve Clicquotといった名だたるブランド企業で利用されるように、Pantoneカラーをつくることができます。ブランドカラーの拡散は防ぎたい、または、サプライヤーとのカラーデータの共有においてセキュリティを確保したいということであれば、「プライベートクラウド」をご活用いただけます。
 
 
パントンカラーの一例「Veuve Cliquot Yellow」
パントンカラーの一例「Veuve Cliquot Yellow」
 

2.Adobe® Illustrator®用PantoneLIVE デザイナーライセンス&プラグイン

 
わたしたちが色の言語をコミュニケーションするのはこのような方法です。エックスライトは最新のPantoneカラーをデザイナーが使うAdobe Illustratorに届け、デザイナーはエックスライトのプラグインツールでライブラリーを生成できます。Adobe Illustratorがデジタル・スタンダードにアクセスし、実際に最終のパッケージではどのような色の仕上がりになるかをより正確に確認することが可能になります。
 
Adobe Illustrator でPantoneLive viewerを使えば、デザイナーは異なる素材でどのようにカラーが再現されるかを確認できます。この結果、求めるカラーと実現可能なカラーの間でどちらかを選ばなければならない状況もあるかもしれません。厳しい事実ですが、これは物理的に実現する際には避けられないことです。最終的には、どの素材を選ぶのか、どの印刷方式を選ぶのかは経済的観点からなされる場合が多いでしょう。デザイナーがにカラーのコミュニケーション手段やツールを与えることは、最良の結果を予測し、実現する助けとなるでしょう。
 
 
異なる素材でどのようにカラーが再現されるかを確認できます。
 
 
 
インクや印刷基材がどのようにデザインに影響を与えるか
 
上の画像は、インクや印刷基材がどのようにデザインに影響を与えるかを示しています。PantoneLIVEをデザイナーが使えば、求める色が最終製品ではどのように見えるのかを知ることができ、クラフトペーパー用のスタンダードを使用することでより最適なカラーを実現することができたでしょう。デザイン段階と全く同じ色ではないかもしれませんが、このデザインが印刷に行く前にデザイナーは現実的な色を確認することができたでしょう。
 

3.Pantone Digital Drawdownsのご紹介

 
もちろん、プルーフや物的なサンプルは必要でしょう。しかし、デジタルカラーを導入することで、色に関わる不用意な誤解を最小限にとどめることができます。誰もが同じソースからデジタルカラーデータを取得できるシステムを構築することで、カラーの精度向上と市場導入までの時間が大幅に改善されるでしょう。
 
特定の素材で色がどのように見えるかを示す段階では、インキ会社に行ってドローダウンを取得する必要はもうありません。弊社に蓄積された科学技術により、皆さんの作業工程を大幅に改善することができます。手作業により計測された高精度のデジタルドローダウンは、使いやすく、破れにくく、見本サンプル直接貼り付けて、プルーフや試作品やプレスシートの出来上がりを確認するのに便利です。
 
 
Pantoneデジタルトリランスガイドのご紹介
 

4.Pantoneデジタルトリランスガイドのご紹介

 
さらに素晴らしいツールとして、デジタルトラレンスガイド(Degital Tolerance Guide)を活用し、予想される色の変化を視覚的に捉えることもできます。デルタE 2.0または3.0で「十分だろう」と考えていた昨日から、“正確な色の変化の理解”ができるようになるでしょう。
 
 
色の変化、デルタEがどのような見た目になるか考えてみたことはありますか?
色の変化、デルタEがどのような見た目になるか考えてみたことはありますか?Pantoneデジタルトラレンスガイドで、その全てをご確認いただけます。
 
簡単に使え、色を事前に予測でき、色にまつわる議論の時間を大幅に減らし、意見の相違を現象することのできるツール、PantoneLIVE Cloud and Designer、Digital Drawdownsそして、Digital Tolerances Guidesが確認作業を簡素化し、マーケットへの距離を一段と短くします。
 
 

 

 

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今回はビジュアルドットゲインとメカニカルドットゲインの違いを説明します。
 
まず、印刷の仕上がり、諧調再現をチェックするのはビジュアルドットゲインの役目になります。
ドットゲインは印刷時の印圧などにより、基材(用紙)上の色材が押しつぶされて物理的な太り(広がり)が発生しますが、基材上のドットにはこれ以外にも光学的な太りの要素が存在します。
 
図-15に示すように、本来は紙の領域によって反射される光などが、用紙内にもぐりこみ、インキの下にトラップされて反射されず、結果として諧調性が暗い方向にシフトします。そのほかにも照明がインキの厚みによってできる影(エッジロス)によっても微少ながら諧調が暗くなります。
このような光学的な影響を「インキが太った」分に繰り込んでドットゲインとして勘定したものを光学ドットゲインと呼びます。
「物理的な太り」とこの擬似的な「光学的な太り」をあわせたものがビジュアルドットゲインとなります。
 
 
照明光のもぐりこみによる光学ドットゲイン
図-15 照明光のもぐりこみによる光学ドットゲイン
 
一方、物理的なドットゲインのことをメカニカルドットゲインと呼びます。これは純粋にドット領域の太り量を指します。
印刷機の印圧の調整やCTP版での印字領域のキャリブレーションチェックなどに利用されます。
 
図-16の例をとると、プレート上で50%のドットサイズ(デザインの際のドットサイズ)が印圧などで用紙上で物理的に太り、このメカニカルドットゲイン分が6%、さらに光のもぐりこみなどによる光学的なドットゲインが8%上乗せされトータルのビジュアルドットゲインは6%+8%で14%ということになります。
最終的に50%でデザインされた諧調が64%のドットとして再現されたということになります。
 
 
ドットゲインの積み重ね
図-16 ドットゲインの積み重ね
 
50%で意図したサイズが64%に印刷されたということで、なんだか間違えて印刷されたように印象がありますが、これは、これで問題ありません。ドットゲイン管理は諧調のキャリブレーションなので基準どおりにコントロールされていることが重要になります。たとえばJapan Colorの標準印刷では名目50%のドットは14%のビジュアルドットゲインを持つことが正解なのです。
 
 

Xrite  印刷           Xrite  色補正                  Japan Color標準印刷認証

 

 

 

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今回は濃度から派生する印刷品質の代表的な管理指標であるドットゲインについて説明します。
印刷という色再現方式は1つ1つのドットには諧調が無く、プロセス印刷の場合、色の要素はCMYKの各インキ色(1次色もしくはプライマリーと呼びます)と用紙色およびその重ね合わせのRGB色(2次色といいます)で固定されます。
そして、各ドットのサイズを小さくしておいて、十分離れた位置から見たときにドットの集合がフルカラーを再現するという並置加法混色の色再現になります。
ですから、このドットのサイズや個数による領域のカバー率を正しくコントロールすることが重要になります。
印刷の場合、さまざまな印刷方式はありますが、どんな方式でも色材を用紙(基材)に押し当て圧力をかけます。このため色材は潰れて広がります。
つまり、印刷されたドットは版上で作成したサイズよりも大きくなります。この大きくなる度合いをキチンとコントロールしなければ、諧調表現が定まらなくなり、安定した印刷品質を実現できなくなります。この意味でドットゲインは印刷の重要な指標となっています。
ベタ濃度や2次色が基準どおりに印刷されていてもドットゲインが基準から外れた場合諧調表現が変化し印刷されたイメージの色再現が変わってきます。(図-13 を参照)
低いドットゲイン
低いドットゲイン
標準のドットゲイン
標準のドットゲイン
高いドットゲイン
高いドットゲイン
図-13 ドットゲインの違いによる影響
図-14にISOのオフセット向けドットゲインカーブを示します。
これらはCTPに対応したドットゲインカーブになっていて、コンベンショナルなアミ点ではコート紙でAもしくはB
上質でBもしくはCが推奨されています。またFMなどの非周期スクリーンではEのように高いドットゲインが用いられます。
ドットゲインカーブ
図-14 ISOのオフセット用ドットゲインカーブ
ちなみにJapan Color認証ではコート紙で名目50%のドットで14%のドットゲインが基準として指定されています。
本来、ドットゲインは印刷機のキャリブレーションのための指標なので、常に安定した値に管理されれば、これらの値に固執しなければいけない理由はありません。
しかし、印刷機の場合、プロファイルなどを適用しなくても(素の状態で)Japan Colorなどの標準の状態に近いことが望まれます。
このため、ドットゲインの値も業界標準に合わせておくことがよりスムーズなワークフロー構築のために重要になります。
ちなみに、ISOではデジタル印刷など必ずしもドットを使用しない印刷方式も視野に入れ、ドットゲインという用語は使用せず代わりにTVIトーン・バリュー・インクリース)という用語を使用するようになっています。
今回取り上げたドットゲインは見た目のドットゲイン、ビジュアルドットゲインに関して説明しました。
このドットゲインの値はマレイ・デイビスという測定方式で測定されます。
次回は、このビジュアルドットゲインと、もう1つのメカニカルドットゲインの違いを説明したいと思います。
 
 
 
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